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心の病気の種類

統合失調感情障害

● 症状

統合失調感情障害は、統合失調症と感情障害の症状の両方が同時、あるいは数日以上のずれがなく起きる障害です。気分障害の現れ方によって分類されており、WHOの診断ガイドライン『ICD-10』には以下のように記載されています。

 

統合失調感情障害 躁病型

統合失調症と躁病の症状の両方が、顕著に現れる障害です。

躁病の症状は、通常、自尊心の高まりと誇大観念(自分を過大評価をする妄想)をともなった気分の高揚です。他人からの刺激に過敏で、攻撃的な行為や被害妄想がみられることもあります。活力がみなぎって過度に活動的になり、集中困難になる患者さんもいます。

統合失調症の症状としては、自分の考えが意図せず他人に伝わってしまう、誰かが支配しようとしているといった妄想や、さまざまな種類の声が聞こえる幻聴などが挙げられます。

 

統合失調感情障害 うつ病型

統合失調症とうつ病の症状の両方が、顕著に現れる障害です。

うつ病の症状としては、通常、制止(自分で考えたり行動したりすることの困難)、不眠、活力や食欲あるいは体重の減少、興味の減退、集中困難、自責感、絶望感や自殺観念などの抑うつ症状や行動異常です。

統合失調症の症状としては、自分の考えが意図せず他人に伝わってしまう、誰かが支配しようとしているといった妄想や、誰かが自分を殺そうと話したり、相談したりする声が聞こえるなどの幻聴があります。

 

統合失調感情障害 混合型

統合失調症と混合型双極性感情障害の症状の両方が、顕著に現れる障害です。

混合型双極性感情障害とは、軽躁病とうつ病の症状が混在したり、両者が急速に交替したりする障害です。

統合失調症の症状としては、他の統合失調感情障害と同様です。自分の考えが意図せず他人に伝わってしまう、誰かが支配しようとしているなどの妄想、自分を殺そうと相談している声が聞こえる幻聴などがあります。

 

他に、「その他の統合失調感情障害」「統合失調感情障害 詳細不明」という分類もあります。

 

アメリカ精神医学会の診断と統計マニュアル『DSM-5』によると、統合失調感情障害と診断されるには、統合失調症の活動期と残遺期をあわせた期間のうち、半分以上に気分障害が伴う必要があるとしています。例えば、これまで4年間にわたって統合失調症の活動期と残遺期だった人に、躁病の症状が2年以上伴う場合は、統合失調感情障害と診断できる、ということです。

統合失調症の活動期とは、幻覚や幻聴、妄想、興奮などの陽性症状が強く現れる時期です。残遺期は、活動期のような症状が弱まり、感情の鈍麻、気力や集中力、思考力の低下などの陰性症状が強く現れる時期です。

 

なお、統合失調感情障害の生涯有病率は0.5〜0.8%と推定されています。統合失調症の約1/3が統合失調感情障害との報告もあります

 

● 他の病気との関係

統合失調感情障害と、典型的な統合失調症や感情障害との関係は明らかになっていません。そのため、この診断を下すことには不確かで検討の余地が残されています。しかし、統合失調感情障害の症状は無視できないほどよくみられるため、独立した障害として位置づけられました。実際の医療現場では、医師が診断を付けかねた時、予備的に統合失調感情障害と診断することがよくあります。

 

また、『カプラン 臨床精神医学テキスト 日本語版第3版』によると、最近は、以下6つのカテゴリーのうち1つに当てはまると統合失調感情障害と診断できる、とされています。

  1. 気分障害を持つ統合失調症患者
  2. 統合失調症症状を持つ気分障害の患者
  3. 気分障害と統合失調症の両方を持つ患者
  4. 統合失調症とも気分障害とも異なる第3の精神病の患者
  5. 統合失調症-気分障害連続体上に位置する障害を持った患者
  6. 上記のいずれかが組み合わさった患者

 

● 原因

統合失調感情障害は青年期に発症することが多く、症状の現れ方は突発的です。症状が現れる前に強いストレスが存在することが多いことと、家族の中に気分障害がよくみられることがわかっています。

しかし、統合失調感情障害の詳しい原因は未だに不明です。統合失調症の一型か、気分障害の一型、あるいは両者が同時に現れたものかもしれません。もしくは統合失調症とも気分障害とも関係のない第3の精神病である可能性もあります。最も可能性が高いのは、これらの障害をすべて包括した異質な群の集合体とする見方です。

 

● 治療

薬物療法

気分安定薬は、統合失調感情障害の治療において重要な役割を果たすことが期待されています。リチウム(リーマス)とカルバマゼピン(テグレトール)などがよく使われています。

抗うつ薬が使われることもあります。その場合は、選択的セロトニン再取り込み阻害薬が第一選択薬として使用されることが多くみられます。焦燥感や不眠が強い場合には、三環系抗うつ薬が有効だとされています。

 

心理社会的治療

家族療法、社会技能訓練、認知リハビリテーションの組み合わせが有益なことがよくあります。統合失調感情障害は正確な診断と予後の見通しが難しいため、この不明確さを患者さんや家族にはっきりと説明することが大切です。

 

その他の治療

制御が困難な躁病と同様、電気けいれん療法が考慮されることもあります。

 

なお、統合失調感情障害全体の予後は統合失調症よりも良好で、気分障害より不良です。統合失調症の症状が多いほど予後が悪い傾向があります。

 

※参考文献

『ICD-10 精神および行動の障害 臨床記述と診断ガイドライン(新訂版)』(医学書院)

『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』(医学書院)

『カプラン 臨床精神医学テキスト 日本語版第3版』(メディカルサイエンスインターナショナル)

 

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