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非自殺的な自傷行為

非自殺的な自傷行為

Nonsuicidai Self-Injury

 

特 徴

「非自殺的な自傷行為」の基本的特徴は、死なない程度の痛みを伴う損傷を、故意に自分自身に与える自傷行為です。多くの場合、自傷行為の目的は、不安や緊張、自責などネガティブな情動を減らすこと、あるいは人間関係の問題を解決したり、肯定的な気分になることです。自傷行為で開放感が得られる、という人もいます。

 

自傷行為は、体の表面の浅い部分まで切る、突き刺す、打つ、こする、火傷させるなどが典型的です。たいていの場合、ナイフや針、カミソリなど鋭利な物を使用します。損傷される場所は太ももの前面と、腕の背面がもっとも多く、他人に見えやすく傷つけやすい場所に1〜2p感覚で平行な切り傷を付けることがよくあります。 ほかに火の付いたタバコを押しつける、消しゴムを強く繰り返しこすりつけることで、火傷を負わせることもあります。

 

こうした自傷行為が頻繁に起こると、体の傷はだんだん多く、深くなっていきます。また、複数の方法で自傷行為を行うことは自殺企図(本当に自殺をする計画)も含み、より重度の精神病理と関係しています。

 

なお、非自殺的な自傷行為をする人の多くは、自分から医療機関を受診しません。自傷行為に対する社会の偏見が気になる人もいますが、自傷行為を治療すべきことだと思っていない人もいます。

 

※注意

ここに掲載した一連の基準は臨床現場で用いるためのものではありません。DSMの公式の精神疾患診断として採用するには証拠が不十分ですが、今後の研究のために専門家によって示され、検討されている案です。

 

有病率

自殺行動障害(実際に自殺をしようとする障害)は、約3:1〜4:1で女性のほうが男性より多く、非自殺的な自傷行為もこの割合に近いと考えられています。

 

経 過

非自殺的な自傷行為は、たいてい10代前半に始まり、何年も続くことがあります。この障害によって自殺する人は20歳代がもっとも多く、それ以降は減少します。

 

診断案:DSM-5

A. その損傷が軽度または中等度のみの身体的な傷害をもたらすものと予想して(すなわち、自殺の意図がない)、出血や挫傷や痛みを引き起こしそうな損傷(例:切創、熱傷、突き刺す、打撲、過度の摩擦)を、過去1年以内に、5日以上、自分の体の表面に故意に自分の手で加えたことがある。

注:自殺の意図がないことは、本人が述べるか、または、死に至りそうではないと本人が知っている、または学んだ行動を繰り返し行っていることから推測される。

 

B. 以下の1つ以上を期待して、自傷行為を行う。

  1. 否定的な気分や認知の状態を緩和する。
  2. 対人関係の問題を解決する。
  3. 肯定的な気分の状態をもたらす。

注:望んでいた開放感や反応は自傷行為中か直後に体験され、繰り返しそれを行うような依存性を示唆する行動様式を呈することがある。

 

C. 故意の自傷行為は、以下の少なくとも1つと関連する。

  1. 自傷行為の直前に、対人関係の困難さ、または、抑うつ、不安、緊張、怒り、全般的な苦痛、自己批判のような否定的な気分や考えがみられる。
  2. その行為を行う前に、これから行おうとする制御しがたい行動について考えをめぐらす時間がある。
  3. 行っていないときでも、自傷行為について頻繁に考えが浮かんでくる。

 

D. その行動が社会的に認められているもの(例:ボディーピアス、入れ墨、宗教や文化儀式の一部)ではなく、かさぶたをはがしたり爪を噛んだりするのみではない。

 

E. その行動または行動の結果が、臨床的に意味のある苦痛、または対人関係、学業、または他の重要な領域における機能に支障をきたしている。

 

F. その行動は、精神病エピソード、せん妄、物質中毒または物質離脱の間にだけ起こるものではない。神経発達障害をもつ人においては、その行動は反復的な常同症の一様式ではない。その行動は、他の精神疾患や医学的疾患(例:精神病性障害、自閉スペクトラム症、知的能力障害、レッシュ-ナイハン症候群、自傷行為を伴う常同運動症、抜毛症、皮膚むしり症)ではうまく説明されない。

 

※参考文献

『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』(医学書院)

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